復刊ドットコムの印口くんから本を贈っていただきました。
懐かしい「フリッツ・ザ・キャット」(小野耕世訳)と「ゴジラ狂時代」の二冊です。
「フリッツ・ザ・キャット」はアメリカの漫画家ロバート・クラムが描いたアングラ・コミックの草分け的作品です。アングラ・コミックとは、それまでのいわゆるメジャーな子供漫画やヒーロー・コミックに飽き足らない、若い漫画家たちがゲリラ的に起こした大人向けのコミックです。
その制約に縛られない自由な表現は、ヨーロッパのコミック作家たちにも大きな影響を与え、たとえばメビウスやロワゼルといった作家も昔はアングラ・コミックに傾倒していて、あのラルフ・バクシも「フリッツ・ザ・キャット」アニメ化を熱望し、実現させたほどです。
猫を擬人化して描かれているので外見はマイルドですが、中身の過激さは半端ないものがあります。そのギャップがまた良いんですね。
「ゴジラ狂時代」は東宝特撮映画のキャラデザインなども手がけている西川伸司さんが、特撮映画製作スタッフの奮闘ぶりを描いたドキュメンタリー漫画です。さすが、当事者が描いているので、特撮映画製作の内幕や映画職人たちの奮闘ぶりがよくわかります。
ヒサクニヒコさん
復刊ドットコムの印口君から鈴木光明先生の「スーパー・ミミ子」と「もも子探偵長」上下巻を頂きました。
鈴木光明先生と言えば、「別マまんがスクール」の立役者で、美内すずえ、和田慎二、くらもちふさこ、槇村さとる、魔夜峰央等、その後少女漫画界で活躍する多くの作家の育成に大いに貢献した少女漫画家です。
鈴木先生の漫画は、その絵からもわかるように、手塚治虫先生の流れを汲むやわらかいペンタッチが特徴で、特に「スーパー・ミミ子」と「もも子探偵長」は美少女冒険活劇漫画の草分け的作品と言えます。それが、連載から55年の歳月を経て、ようやくこのたび復刊ドットコムで単行本化されたのです。
値段はちょっと張りますが、四六版のハードカバー装丁で、カラーや二色刷りのページも掲載されていますので、単行本化を待ち望んでいたファンには、これ以上ない贈り物と言えるでしょう。
From a FAN