OCTOBER
 2012
Diary

10月5日 「特撮博物館」

 闘病生活を続けていたネコタル爺さんこと高峰クンが退院したので、快気祝いをかねて東京都現代美術館で開かれている「特撮博物館」に行きました。前日退院したばかりなので、ちょっと心配していましたが、高峰クンは意外なほど元気です。
 昔、日本の特撮技術は世界一と言われていましたが、それはひとえに高精度のミニチュア・ワークによるモノでした。そのミニチュア・ワークを駆使した昭和・平成の日本特撮の技が、今回の展覧会の主旨です。会場ではこの展覧会のために特別に作られた短編映画「巨神兵東京に現わる」が上映されていますが、展覧会の主旨にそって、CGは一切使われていません。今時のCG映像に慣れ親しんだ若い世代の目にどのように映るか気がかりではありますが、かなり良い出来だとは思います。
 特撮は基本的に、マジック同様に単純な仕掛けほど本物に見えもので、時には板ガラスの上に描いたマット・ペインティングの方が高価なCGや大がかりなセットよりも効果的に映ることがあります。その辺が特撮の妙というもので、だからこそ、低予算を強いられた日本映画で発展したといえます。ただ、それに頼りすぎたため、逆に新たなビジュアル・エフェクト技術の開発が遅れたことは否めません。果たして、日本の特撮技術が再び世界一と呼ばれる日が来るかは甚だ疑問ですが、恐らく特撮にふさわしい作品を生みだすことが鍵となることでしょう。
 そうそう、会場で偶然勝川克志さんと会いました。同じ昭和特撮世代ですからね。やっぱり、来てました。もしかしたら他にも仲間がいたかも知れませんが、混雑していたのでよくわかりませんでした。
東京都現代美術館 ミニチュアのビル群 家屋のミニチュア 勝川サンと高峰クン