OCTOBER
 2012
Diary

10月1日 「ハンガーゲーム&モンスターホテル」

 う〜ん、久しぶりに映画を観に行きましたが、この2作はどうなんでしょう?やっぱりDVDで充分じゃないかと思えてしまうのが哀しいです。

「ハンガーゲーム」

 富裕層と貧困層に大別され、富裕層に完全に支配された独裁国家パネム。そこでは、各地区から選ばれた12歳から 18歳までの男女が森の中で殺し合い、最後に残った1人に栄誉と富が与えられるという殺人サバイバル「ハンガー・ゲーム」が行われていた。妹の代わりに ゲームに出場を志願したカットニスは、狩猟で鍛えた弓矢の腕で戦い続けるのだった…。
 まずルールがおかしいです。各区域から12歳から18歳までの男女を2人ずつ選んで殺し合いをさせて、生き残った1人が勝者というルール自体、 ショーと して見せるならあまりにアンフェアで、あり得ない設定といわざるを得ません。こういう場合は、年齢を一定に定めて、男女ペアのチームで戦わせるべきでしょ う。案の定、主催者側もその点に気がついて、結局ルールを改正することになるのです。これは明らかに物語の都合で決めたルールとしか思えません。それにし てもこの主人公、弓の名手のはずなのに、よく的を外します。もちろん決める時には決めるけれど、これも物語の都合を感じさせます。という具合に、物語を盛 り上 げさせるために、物語の都合に合わせて勝手にルール変更をしている感が否めません。都合良くあらわれるお助けキャラにしても、男女3人の三角関係にして も、どうも「トワイライト」シリーズを想起させる設定だなあと思ったら、やはり米国女子に人気の小説が原作でした。成る程、米国で超ヒットしたのもうなず けます。でも、日本ではどうでしょうか?宣伝部によほど自信がないのか、スタッフロールが始まるやいなや、いきなり「第2部日本公開決定」の文字がスク リーンに映し出されて、大いに興ざめさせられます。
 物語としては感情に訴えるシーンも結構あって、なかなか良くできてはいるのですが、物語の都合でコロコロ変わるルールに振り回されている感じが して、ひ ねくれ者の私としては、どうにも乗り切れませんでした。それに、役者の技量不足を補うためか、アクションシーンでアップを多用しているので非常に見づらく て、何が起きているのかよくわからないのが困りものです。この点次回作では改良を強く望みます。観ないだろうけれど…。
 ただ、主題歌はけっこう効果的に使われているので、アカデミー賞の候補になるかも知れません。
 ☆☆☆★★★
 
 「モンスターホテル」
 
 ドラキュラ伯爵の娘メルヴィスの118歳の誕生パーティのため、世界中のモンスターがモンスターホテルに集まって来ていた。完璧箱入り娘のメルヴィスは、父との約束で118歳になったら外の世界に出させてもらえることになっていたが、そんな時、バックパッカーのジョニーがホテルにやってきた……。 
 娘を人間の世界から隔絶するためにモンスターホテルをつくってしまうという発想からして、設定に無理を感じてしまいますが、「ともかくノリと勢いで突っ走れば何とかなるさ」という制作者側の思いに貫かれた作品です。ですから、細かいことを突いたらキリがないほど矛盾点やおかしなところだらけです。特に最大のクライマックスからして掟破りのルール違反を犯しています。モンスターマニアほどその点が許せないかも知れません。だいたいネタからしてモンスターの知識を必要とするマニアックな作りなのに、マニアを無視してどうする?そんなマニアの心配をよそに、ノリと勢いで思わず笑わせてくれます。お笑いタレントを起用した日本語吹き替え版も、今作ばかりは、ノリと勢いがうまくはまって、成功していると思いますが、興行的には非常に難しいことが容易に予想されます。
 ☆☆☆★★★(モンスター好きを無視したモンスターアニメってどうなんでしょう?)