MARCH 2011
Diary

3月1日
   「ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島」と「英国王のスピーチ」

 1日は映画の日なので、ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘へ映画を観にいきました。
観たのは2本ですが、どちらも英国が舞台で、どちらも王様のお話です。

「ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島」

 エドマンドとルーシーのペベンシー兄妹は従兄弟のユースチフの家に預けられていたが、意地悪なユースチフと反りが合わず、ことあるごとに衝突していた。ところがある日、寝室の壁に飾ってあった海の絵のことで3人がもみ合っていると、突然絵から海水があふれ出し、気がつくと3人はナルニアの海に漂っていた。そして、そこにカスピアン王の「朝びらき丸」が通りかかった…。
 
 映像としては申し分のない出来で、特に水の表現が素晴らしく、CG技術の更なる進化をまざまざと見せつけています。もはやCGのクリーチャーたちは完全に画面に溶け込み、実写の人間と一緒にいても違和感を殆ど感じません。しかし、3Dに関しては必要性があまり感じられません。ディズニーの方針でしょうが、なんでもかんでも3Dにすれば、良いというものでもないと思うのですが…。
 
 時間に合わせて原作を改変していますが、ユースチフの成長と変身がきっちり描かれているので、結果として正解ではないかと思います。それに、エクゼクティブ・プロデューサーがC.S.ルイスの息子とくれば、誰も文句を言えないでしょう。ただし、一カ所だけ理解しがたいシーンがありましたが…。
 
 ともかく、特殊効果の冴えもあり、ファンタジー映画としてはかなり良い出来ではないかと思います。ただ、あいかわらず主役級の役者に華が無いのが、どうにも惜しい気がします。

 ☆☆☆☆★★★★
 
 
「英国王のスピーチ」

 英国王の次男ジョージ6世は吃音に悩んでいたが、父親のジョージ5世はあえて彼に式典のスピーチを命じ、彼を更に追いつめていた。見かねた妻のエリザベスはスピーチ矯正の専門家ライオネルのもとを訪ね、夫に彼の診察を受けさせた。このオーストラリア人は非常に型破りな方法でジョージの吃音を矯正しようとするが、ジョージにはその真意がどうにも理解できなかった…。
 
 歴史の裏側で密かに行われた英国王の奮闘記ですが、非常にウィットに富んだ台詞回しの中に、家族や夫婦の愛、そして友情を細やかに表現したシナリオがともかく素晴らしいです。目を引くシーンは特にありませんが、これだけの話の中で抑揚を持たせ、ラストに向けて盛り上げていく演出もなかなか見事です。この時代の英国王室のことなど日本人には馴染みがないので、万人受けするかどうかは疑問ですが、アカデミー協会が好む題材や演技であることは納得できます。私もこれからは、言葉に詰まったら無音で「フ○ック」と言うことにしようと思います。
 
 ☆☆☆☆★★★★