DECEMBER
Diary

12月21日ロビン・フッド
 さて、昨日観たもう一本というのが「ロビン・フッド」だったんですね。というわけで、遅ればせながら、「ロビン・フッド」の感想です。

 時は12世紀後半のフランス。十字軍の遠征に加わっていた、弓の名手のロビン・ロングストライドは実直な性格で仲間たちから慕われていた。彼とその仲間は故郷の英国に帰る途中、謎の一団の闇討ちにあって瀕死の重傷を負った騎士に遭遇する。その騎士ロバート・ロクスリーは、戦死したリチャード一世の王冠を母国に持ち帰る途中で、ロビンに王冠と家宝の剣を故郷に戻すよう頼むと事切れた。どうやって海を渡ろうか思案していたロビンたちは、これ幸いと騎士になりすまし、英国に帰るのだったが…。
 
 リドリー・スコットが「ロビンフッド」をどう料理するのか気になっていましたが、なるほどこう来たか!と、結構納得の出来でした。亡き父を当時理性の最先端にあった石工とし、ロビンをマグナ・カルタの立役者に据えるとは、史実に絡めたなかなか憎いシナリオです。その後シャーウッドの森で、ノッティンガムの代官やジョン王に対しても反旗を翻し、義賊として活躍することへの見事な伏線となっています。
 
 また、いつもながら迫力の戦闘シーンは健在で、特にお得意の城攻めのシーンなどは、他の追随を許さない、リドリー・スコット史劇のまさに真骨頂です。雨あられと降り注ぐ無数の矢などはCGなのでしょうが、全く違和感なく、鮮烈な戦闘シーンを劇的に描写しています。ともすれば残虐シーンに陥るところも、構図の妙で巧みに覆い隠し、まるで一枚の絵画を観るような、荘厳さも漂う美しいシーンに作り上げているのは、さすがリドリー・スコットです。
 
 とはいえ、不満も無いわけではありません。折角ロビン・フッドを描くのですから、もう少し弓の名手という点を強調するようなシークェンスを盛り込んで欲しかったと思います。例えば仲間たちと射的を競い合うとかして、彼の弓の腕を際だたせるとか、ひと工夫があっても良かったのではないかと思います。
 
 また、マリアンとシャーウッドの森に巣くう盗賊団との関係も説明不足で、後に何故マリアンが盗賊団を率いて戦闘に参加するのか、今ひとつ理解しかねます。もっとも、鎧姿のマリアンという図はなかなか魅力的ではありますが…。
 
 あと、「ER」のアーチー・モリス役のスコット・グライムズがウィル・スカーレット役で出ていたのには少し驚きました。結構人気があるんですねぇ。
 
 ☆☆☆☆★★★★