JUNE 2010
Diary

6月5日 「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」
 ワーナー・マイカルシネマズ新百合ヶ丘で「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」を観ました。3Dじゃないので、とっても観やすかったですよ、ホントに。
 
 幼い頃にペルシャ王に拾われたダスタンは、王家の血筋ではないものの、二人の兄弟とともに王子として育てられました。その後、立派に成長したダスタンは聖都アラムート攻略の功績で、神殿に納められていた奇妙な短剣を手に入れます。ところが、戦勝の祝賀会の席で王が暗殺され、ダスタン王子はその罪を負わされてしまいます。そして、隙をついて逃げ出す王子に、なぜかアラムートの王女タミーナが救いの手をさしのべ、二人はまんまと城から脱出したのでした…。

 まず驚くのが、ペルシャ帝国が聖都アラムートを攻撃する理由です。密かに敵国に武器を売りつけているという情報を得たからとういうのは、まるで米国が大量破壊兵器の情報を得て聖都バクダットに侵攻したのと同じじゃないですか。こういったところが、最近のハリウッド映画は妙に生々しいのですが、ディズニーまでもどうしちゃったんでしょうか?

 この作品のユニークなところは、時間の砂の入った短剣というアイデアで、短剣の柄についたボタンを押すと時間の砂が流れて1分間だけ過去に戻れるんですね、これが。武器がそのままタイムマシンも兼用するということで、結構劇的なシチュエーションが色々と考えられて、これはなかなか良いアイデアだと思います。でも、それは一定のルールの中で使われる場合に限ります。ルールのタガを外して無尽蔵の時間の砂を使ってしまっては、何でもありになってしまい、そこから導き出されたオチでは、(最後のナレーションで、必死に取り繕っても)ご都合主義の謗りを免れられないのです。そういった意味で、良いアイデアを生かし切れていないところが少々残念でした。(それでも、結構面白いんですけれどね)
 
 それにしても主役のジェイク・ギレンホールの肉体改造は見事なものですが、その上パルクールまで身につけて、ほとんどのスタントを自分でこなしたというのだから恐れ入ります。CG台頭の昨今だからこそ、ハリウッドスターはここまでやらなければならないということなのでしょうか?
 
 ともかく主役は良いとして、ヒロイン役のジェマ・アータートンが、どうにも絶世の美女という設定にそぐわないように見えます。この人、「007慰めの報酬」、「タイタンの戦い」に続いて今作でもヒロイン役を射止めたとあって、ハリウッドでは新進気鋭の注目株なのだそうですが、どの作品もホントに彼女で良かったのかは甚だ疑問です。まあ好みの問題ではあるのですが、もっと他に良い女優がいるんじゃないかと思えて仕方ありません。
 
 ディズニーとしてはパイレーツ・オブ・カリビアンの後釜としてシリーズ化したいようですが、ジェイク・ギレンホールはいても、残念なことにキーラ・ナイトレイはいないし、当然ジョニーデップもいないとあっては、シリーズ化は難しいでしょう。
 ☆☆☆★★★(ヒロインが合わないので★一つ減点です)