SEPTEMBER 2009
Diary

9月20日「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」
 嬉しいことに毎月20日、横浜のシネコンでは1000円で映画を鑑賞出来るのです。というわけで109シネマズへ「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」を観にいってきました。

 「X-MEN 」シリーズの主要キャラ、ウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ作品です。驚異的治癒力と、激昂すると拳から伸びる爪を持つふたりの兄弟、ビクターとローガン。彼らはその能力ゆえ人間社会から疎まれ、やり場のない怒りを発散するかのように、南北戦争からベトナム戦争まで戦いにその身を投じてきました。そんなある日、ふたりはストライカー大佐率いる超能力者部隊への誘いを受けるのですが…。

 まず、その過去が謎だらけの人気キャラを主人公に描くスピンオフ作品としては、なかなか上手い脚本だと思いました。ウルヴァリンの誕生秘話を、「X-MEN 」に登場する他の人気キャラも巧妙に絡ませながら明らかにし、「X-MEN 」の第一作に繋がる前日譚として描き上げた技量は大したものです。殊に、何故過去の記憶を全て失ったのかという最大の謎についても、成る程という理由が描かれていて、思わず溜飲が下がりました。

 しかし、ここまでいくとウルヴァリンは殆ど不死身ですね。それと気になるのは、150年前に生まれてから最初は普通に成長していたのに、何故途中から成長が止まったのだろうかという点です。多分隠れた能力が覚醒するにつれ、徐々に不老不死になったのでしょうが、その辺り少々疑問が残りました。

 ともかく、超能力者の派手なビジュアルをふんだんに織り交ぜた演出はサービス満点です。でも、こんなに矢継ぎ早に沢山見せられるとさすがに食傷気味になってしまい、最後の対決で盛り上がりに欠ける結果を招いてしまいました。

 とはいえ、石川五ェ門のようなウェイドの華麗な剣さばきや原子炉崩壊のシーンなど、芸術的ともいえる美しいシーンの数々には思わずため息が出ます。まあ肩肘張らずに、ヒュー・ジャックマンの肉体美など、ビジュアル面を愉しむには恰好の作品だといえるでしょう。

 日本では人気が今一つのウルヴァリンですが、次回は日本が舞台になるようなので、今のうちに観ておくのも悪くないと思います。なお、例によってエンドロールの後にもうひとつのシーンが残されていますが、米国公開版ではまた別のシーンが用意されていたようです。
 
 ☆☆☆★★★