NOVEMBER 2008
Diary

                 11月22日「レッドクリフPart1」

 なにぶん前編だということで観るのを躊躇っていた「レッドクリフPart1」ですが、なかなか好評だし、109シネマズのポイントも貯まったことだし、連休の間部屋に籠もっていても気が滅入るだけなので、ようやく重い腰を上げて観に行くことにしました。
 
 「レッドクリフ」は三国志の赤壁の戦いを描いた作品なのですが、三国志といえば名前も読みづらい登場人物がたくさん出てくるし、長い原作読むのも大変だし、敷居が高いと思ったら大間違いですよ。この「レッドクリフ」はとにかく分かりやすくできていますので、三国志初心者でも安心してご覧になれます。
 
 冒頭に簡単な背景説明はあるし、主要人物が登場するたびに名前が大きめの字幕で出るし、しかも漢字にはルビがふってあるし、配給会社も余程気を遣ったのでしょう。勢い余って、「民」にまでルビふるのはやりすぎですが、それにしてもこの親切設計には逆に驚かされました。
 
 お話の方も必要な要素は逃さず、非常に上手く簡潔にまとてあって、主要キャラにはそれぞれ見せ場を用意して充分立たせてあるし、実に見事な出来映えと言えるでしょう。
 
 特に、小喬をトロイのヘレンに見立てて曹操の動機付けとしたり、さらにお抱えの踊り子に小喬のコスプレをさせるなど、曹操の偏執的なキャラを際立たせています。
 
 もちろん、関羽や張飛、趙雲といった各武将達の一騎当千の活躍も見物ですが、中村獅童の甘興ひとりがワイヤー・アクションを多用していて、これが意外と目をひきます。また、周瑜と孔明が琴を合奏するシーンなど、互いの危ない視線が交差して、見ていてゾクゾクするほどです。それに、孫権の妹尚香の秘技がなかなかの曲者で、とても良い味を出しています。
 
 まだ「Part1」ですので明言はできませんが、ジョン・ウーの最高傑作になるであろう、そんな期待をさせる作品です。ともかく、来年春の「Part2」が今から待ち遠しいです。

 ★★★★★☆☆☆☆