APRIL 2007
Diary

   4月27日「ベストとサンシャイン」
 
 昨日「ASK?」から連絡が来て、「達人リサイクルアート展」で入札しておいた作品が落札したとの知らせを受けました。その作品とは…ちばてつや先生のベストなのです!先生愛用(だと思う)のベストにサインを入れただけの物なんですが、これも立派なリサイクルアートなんですね。というわけで、京橋までベストを受け取りに行きました。
 
 すでに展覧会は終了していますので、作品の多くは既に日本新聞博物館の「MOTTAINAIへ〜キャンペーン報道の力」(4/29〜6/24)に移されていて、オークションで落札された物だけが会場に残っていました。受付の中島まりサン(この人もイラストレーターです)から無事ベストを受け取ると、早々に「ASK?」を後にしました。
 
 京橋から三越前に移動して、そこから南町田へ向かいました。109シネマズグランベリーモールで映画を観ようというのです。去年の12月23日に109シネマズでもらった特別招待券を使うので、昨日に続いて今日もタダで映画を観ます。ポイントが貯まっているので、あともう一本タダで観られますが、なんかクセになりそうです。
 
 で、本日観たのが「サンシャイン2057」。ホントは映画なんか観ている暇はないけれど、これだけは観させてください〜。なんてったって、監督が「トレインスポッティング」「28日後」のダニー・ボイルですからね。彼の作品は妙に捻くれているので大当たりはしないけれど、そこがマニアには堪らない魅力でもあるのです。まあ、今回もきっとまともな娯楽作品には仕上げないんでしょうが、何かやってくれるだろうと期待せずにはいられません。
 
 しかし、これはとんでもない物語です。2057年、太陽がなぜか急に活動を減退化させ、凍てつく氷に閉ざされた地球では人類存亡の危機に瀕していました。この危機を救うには、太陽にありったけの核爆弾を投じて再び活性化させるしかありません。そこで人類最後の希望として、8人のクルーを乗せたイカロス2号は、マンハッタン島ほどの核爆弾を抱えて太陽へと旅立ったのでした。
 
 原題はただの「SUNSHINE」なんですが、何故か邦題は「サンシャイン2057」になってしまいました。異常になった太陽を人類の英知で正常化するという話では、過去に「クライシス2050」というトンデモ映画がありましたが、まさかこれに引っかけたわけじゃないでしょうね?いや、同時期に「リトル・ミス・サンシャイン」があったので、紛らわしいと感じたのかも?それとも、年号というか数字を入れるとSFっぽいタイトルになるという浅はかな考えによるのでしょうか?ともかく、このタイトルで、この映画は大分損していると思います。

 この映画、ちょっと分かりにくいですが、実はもの凄く挑戦的な作品なんです。話自体、太陽に行くという、とんでもない事に挑戦していますが、映像的には「2001年宇宙の旅」に真っ向勝負しています。「2001年〜」と同じようなシチュエーションも登場しますが、比較されることを覚悟の上で、更にバージョンアップした映像を見せてくれます。そして、物語の主題たるや実に哲学的で、興行的に心配になるほどストイックな作り方に驚かされます。つまりこの作品は、地球と人類の創造主たる太陽という〈神〉への挑戦であり、「2001年宇宙の旅」というSF映画の〈神〉への挑戦でもあり、形而上的な〈神〉という意識に対する挑戦でもあるのです。
 
 コンピュータ・イカロスが探知した5人目の乗組員の存在が何であるか?その解釈によって、この映画の意味する主題は、無限の広がりを持つに違いありません。で、神について思い詰めた挙げ句、「2001年〜」のような高尚さに背を向けてB級ホラーに走っちゃうのが、さすがダニー・ボイル。でも、当たらないだろうなあ…。
 
☆☆☆☆★★★(娯楽作品としては、どうもなあ…)