JUNE 2006
Diary

 6月14日 「ナイロビの蜂・その後」
 神戸俊平さんから、「ナイロビの蜂」の感想が送られてきました。神戸さんはケニヤでマサイ族の家畜の診療、野生動物保護・象牙国際取引反対運動・ODA開発事業による環境影響の問題提起・スラムとエイズ貧困問題などに取り組んでいます。
http://www.kambevet.org/
さすがに現地で活動している人だけあって、大変興味深い内容です。その一部を紹介しましょう。
 
 映画「ナイロビの蜂」は、ナイロビのスラムに住むアフリカ人の命が安いのにつけ込んだ国際的な製薬会社の新薬剤実験について描かれていますが、映像にはナイロビやスラム・キベラがでてきます。神戸さんはナイロビのスラム・キコンバーでエイズカウンセリングを継続していますが、ある時ここの地域チーフに「イギリスのエイズワクチンの薬剤試飲が進められているが、我々はモルモットじゃないんだ!」と言われたそうです。WTOの知的所有権をめぐっては、エイズ・コピー薬が裁判沙汰にもなっています。「ナイロビの蜂」に描かれているようなことは現実に存在する話なのです。

 ところで、現在S社の殺虫剤ペルメスリンを練りこんだマラリア蚊帳の配布計画が進められています。それはユニセフで扱うオリセット・ネットという蚊帳で、今後マラリア感染地域で1000万帳を配布する計画です。東京青山の国連大学でこの蚊帳を展示していましたが、その展示には「肌に触れると危険です。手で触らないこと、もし触れたら必ず手を消毒してから水で洗い流してください。触れた手で物を食べるのは危険です」という注意書きがあったそうです。この蚊帳に触れたマラリア蚊は100パーセント死に至り、いかに毒性の強い物であるかということを謳っているのです。しかし、蚊帳に出入りしたり、寝返りで蚊帳に触れたらどうなるのでしょう?もし、ペルメスリンの副作用があるとすれば問題です。人体への影響、または発ガン性物資は含まれないのでしょうか?むしろ、殺虫剤を含まない蚊帳の普及の方が安全ではないでしょうか!?
 
 日本は沖縄サミットで感染症対策に費用拠出の宣言をしました。その後、ODA円借款10億円でタンザニア・アリューシャ市にインド人某氏の蚊帳工場を建てました。アリューシャ市の学校にはS議員の「○○○ハウス」が残っています。今後も、アフリカの人々に対し、平気で危険な薬を使ったり、安易に実験材料にすることなどは是非止めてもらいたいものです。