OCTOBER 2005
Diary

10月23日 「セブンソード」

 気になっていた「セブンソード」を観てみました。前評判が芳しくないので覚悟していましたが、それにしてもこれは疲れます。ツイ・ハークどうしちゃったんだろう?大丈夫かなぁ?と本気で心配になってしまいました。
 
 「HERO」等に代表される美しい映像の武侠物への反発でしょうか、とにかく映像作りは「武骨」そのもの。おかげで目につくのは「暗闇」と「砂埃」ばかりで、非常に地味な印象を受けます。ツイ・ハークの過去の作品もそうでしたが、とにかく画面が見づらくて、長時間観ているのはさすがに辛いです。
 
 それに、編集まで「武骨」ときているのですから、観客はたまったものではありません。興行的に上映時間を切り詰めなくちゃというんでしょうか、無理矢理編集したという感じで、お話の肝心なところがバッサリ抜け落ちてしまっています。一番大事な登場人物の紹介や動機付けもハッキリしないし(…というか無いし)、七剣についての説明も殆どありません。まるでパンフレットを読んで予習してから観ろとでも言わんばかりの荒っぽさです。ここまで武骨と言うか不親切だと、話の筋を追うことさえ空しくなってしまいます。
 
 ……と不満ばかりの作品ですが、剣劇シーンにはさすがに見るべき所があります。壁に挟まれた狭い場所での戦いなどは、なかなか斬新なアイデアで素晴らしい。ただ、ワイヤーアクションを控えめにしたためか、剣術の腕などに力の差が顕著に出てしまいました。上手い人はいいのですが、下手な人はとても強そうに見えません。もう少し撮り方など工夫すべきだと思いますが、撮り方も「武骨」なので、工夫など望むべくもありません。

 ちなみに、途中で唐突に挿入される、続編の伏線らしきシーンがありますが、本編を切りつめるくらいなら、無くても良かったような気がします。本国では大ヒットしたそうなので、やっぱり作られるのでしょうね、続編。

 もう一つオマケに、音楽を担当している川井憲次さんって、実家がご近所なんです。母親からずっとその話は聞かされていたのですが、名前がハッキリしなくて、最近ようやく誰だか判明しました。私の実家の前にある駐車場に車を駐めていた人ですね。
 
 ☆☆
(☆は個人的好き度、★はお奨め度。ただし赤はマイナス!)