AUGUST 2005
Diary

  8月30日 「映画の話し」

 今月も沢山の映画をDVDで観ました。まったくもってDVDとは有り難いもので、昔では考えられない程手軽に映画を楽しめるようになったばかりか、特典映像などマニア垂涎のオマケまで付いているから泣かせます。
 
 更に、普通なら公開されることもなく、お蔵入りしそうなキワモノ作品までDVDで売られるものですから、もちろんハズレも沢山あります。そういった怪しい作品はなるべくレンタル屋で借りることにしているのですが、そのレンタル屋にも並ばない隠れた名品があるから困ります。
 
 しかも、そういう作品に限って、あっと言う間に売り切れて、入手困難になってしまうのです。当然、ネットで早めに注文して購入するわけですが、それで作品がハズレだったら目も当てられません。これはもはや賭です。自分の勘を信じるしかありません。そんなわけで、映画を観る目が随分と鍛えられましたが、それでもハズレがあるんですね、やっぱり。
 
 では、最近観たDVDの感想をまとめて挙げておきます。
 
 「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」
 例のゴジラBOXでただ一つ抜けていたDVDなので、どうしても入手しなければなりませんでした。幸いヤマダ電機のポイントが貯まっていたので、タダで入手出来ました。
 映画としては最低の出来ですが、観てみるとこれが面白いから不思議です。端からマニア向けに作っているので、普通の観客には話がチンプンカンプンだと思います。巨費を投じて大失敗したおかげで、東宝ではしばらく怪獣映画が作られなくなるでしょう。その意味で、正真正銘のファイナル・ウォーズになってしまいました。
 
 「フライト・オブ・フェニックス」

 旧作「飛べ!フェニックス」には絶対かなわないだろうと思ったら、これがなかなか善戦しているじゃありませんか。リメイク版として、かなり成功している方と言えるかも知れません。もちろん「キャストの妙」という点では、到底旧作にかないませんが…。
 
 「アレキサンダー」

 歴史上の巨人アレキサンダーを一人の弱い人間として描いた意欲作。折角の素材なのに、心理描写に力点を置いたので、娯楽作品としての要素がだいぶ削がれてしまいました。話が壮大すぎて一つ一つのエピソードが希薄になっていますが、これは構成力の問題だと思います。いくら史実とはいえ、話が進めば進む程テンションが下がるなんて、お話作りとしては失敗です。この点「トロイ」は実に上手かった。この調子では200億円の制作費は絶対に回収出来ないでしょう。
 
 「ウルトラマン」
 主人公がジェット戦闘機のパイロットということで、航空自衛隊が全面協力しています。本物の戦闘機に搭乗するシーンはさすがに素晴らしいですが、空に飛び立ってからがいただけません。CG合成に頼らず、もっと実写を使って欲しかったと思います。予算の関係で特撮はTVレベルですが、新宿での地上戦はかなりナイスな画になっています。地面の震動でバイクが弾む所など、細部に作り手の拘りを感じます。本格的怪獣映画の復活を切に願います。
  
 「火星人メルカーノ」
 アルゼンチン産の実に奇妙なアニメです。お国柄でしょうが、ブラックな笑いがかなり強烈です。でもそれぞれの笑いがちゃんと的を射ているので、逆に感心してしまいます。こんなアニメ、日本では絶対作れないだろうなあ。
 
 「ドッジボール」
 出来の悪いスポーツ・コメディです。折角の良い題材なのに、なんでドッジボールに焦点を合わせたお話作りをしないのかが理解出来ません。
 
 「シンドバット 七つの海の伝説」
 アメリカで観た時は3DCGと2Dの絵が上手くマッチしていない印象を受けましたが、改めてDVDで観ると、それ程違和感無く観られました。お話もちゃんとまとまっていて結構見せます。でもキャラクターは相変わらず馴染めません。

 「ローレライ
 アニメのような疑似戦争映画。海軍だからといって長髪はいかんでしょう。原作のキモの部分をバッサリ切ってしまったので、肝心の「ローレライ」の意味がぼやけてしまいました。本当はもっと泣ける話なのになあ。
 受け狙いでアニメ風にしてしまったので、全体にチャラチャラした印象が残ってしまいました。途中で何だか分からない物のためにわざわざ死ぬ人もいて、死と隣り合わせの緊迫感が全くありません。予算の関係でしょうか、海を舞台にしながら海上で全く撮影しなかったのも致命的です。もっと、戦争や海に散った兵士達のことを真剣に考えて作ろうよ。
 
 「香港国際警察」
 ジャッキー・チェンが香港に戻って作ったポリス・ストーリー最新作。相変わらず無茶苦茶してますけど、これがなかなか良いんです。アメリカではろくな作品に出なかったけれど、故郷に戻ってジャッキーが本当に作りたかった作品を伸び伸びと作っている姿が微笑ましいです。頑張れジャッキー!
 
 「ハウス・オブ・ザ・デッド」
 ゲームの映画化で成功した例は殆どありませんが、ご多分に漏れずこれもトホホな迷作でした。ゾンビ映画を基にしているのですが、このゾンビ達、ピョンピョン飛び跳ねたかと思うといきなりノロノロ歩き出す…かと思えば海を泳ぎ出す(ゾンビなのに息継ぎしてます)という具合に、須く物事に一貫性がないのです。大体、島がゾンビで溢れているとなれば、怪しい建物に立て籠もるより、真っ先に島を脱出する事を考えない、普通。
 それより意味不明なのが、劇中突如挿入されるゲーム画面。戦闘中や登場人物が死ぬたびにクルクルとスローモーションで一回転する「バレットタイム」モード。冗談なのだろうか?笑っていいのか迷ってしまいます。