AUGUST 2005
Diary

   8月16日 「7人のジェダイ」

 NHK衛星で「SAMURAI 7」を観ましたが、オリジナルの話をSFに置き換えてアニメの味付けをした所に、どうにも違和感を感じて仕方ありませんでした。付け足した部分に無理があり、全体として話や世界観が完全に破綻してしまっているのです。結局面白い所はオリジナルの部分だけで、余計オリジナルの偉大さが際立ってしまいました。

 街には茶屋や料亭まで普通にあって、それ程食料に困っている感じがしないし、「米」がどれ程貴重なのかが伝わってきません。それに何で侍の格好をして、刀で戦っているのかがよく判りません。どうせならオリジナルから離れて、もっと違う世界観を構築すべきだったと思います。その点、スターウォーズは黒沢映画を原点としながらも、全く違った世界を見事に創り上げました。

 「シスの復讐」を観て、ふと思いました。ヨーダの仕草って、どことなく黒田勘兵衛に似てない?(ここから先ネタバレなので自主規制)マスター・ジェダイと認められなくて八つ当たりするアナキンって、どう頑張っても仲間から侍と認められない、菊千代の姿とダブらない?剣の腕は立つのに、横やりが入ってあっけなく死んじゃうメイス・ウィンドゥの姿に、一発の銃声に散った久蔵と同じ悲哀を感じない?師匠に再び会えると聞かされたオビワンの驚く顔が、久蔵の武士道に眼を輝かせる勝四郎と似てない?勝ち気で一途な紅一点アミダラって、志乃に似てない?等々…

 大体、ドロイドの軍勢に襲われた惑星を救うために数名のジェダイ騎士が派遣されるというのは、野武士の群れから村を守る為に七人の侍を傭うのと同じ構図ですね。ですから敗走するヨーダの姿に、「今度もまた負け戦だったな」という黒田勘兵衛の姿が重なってしまうのです。

 
 黒澤明に心酔しているジョージ・ルーカスですから、これまでもスターウォーズの端々に黒澤映画の影響が色濃く出ていましたが、「ヨーダ」=「黒田勘兵衛」とは気が付かなかったなあ…って、ちょっと強引な見方ですが。

 ちなみに「The Samurai Seven」っていうパンク・グループがあるんですね。
 http://www.thesamuraiseven.com/