8月9日

 8月7日、シナリオライターの根本晃クンが亡くなった。持病の喘息がこの暑さで突然再発し、治療が間に合わなかったらしい。実は、この病気で亡くなった知人はこれで二人目になる。前のこともあり、初対面の時から身体にはくれぐれも注意するようにと注意していたが、不安が現実のものとなってしまった。

 根本クンは以前放送作家だった時には「やっぱり猫が好き」などを手がけ、ゲーム業界に入ってからは「ボクと魔王」などのシナリオを書いている。多業種に関わっていたこともあり、視覚・聴覚・情緒・ゲーム的といった様々な観点から捉えてシナリオを書ける希有なライターだった。非常に映画通で、私がイメージを伝える時にも映画の1シーンを例に一言言うだけで意志の疎通が図れた。

 次の作品に向けて他のスタッフと共に共同作業が続けられていたが、道半ばにして有能なスタッフを失ったことは大きな痛手だ。しかし我々はここで立ち止まるわけにはいかない。この試練を乗り越えて前に進まなければいけない。彼の記憶と共に…。

 今日、根本クンの告別式が粛々とおこなわれました。心から彼の冥福を祈ります。